高森 顕徹
1万年堂出版 刊
発売日 2000-10
この平和で物質的に満たされた世の中、大した努力をしなくとも生きてはいける。しかしメリハリがないだけに、不平不満に逃げないよう日々自らを叱咤激励して、心からの幸福感を得られる人は少ないかもしれない。浄土真宗親鸞会会長を務め各地で講演を行う著者は、こう喝破する。
「現代人に欠けているものの一つに、努力精進があげられる。水が低きにつくように、易きにつこうとする。結果だけをめあてに、一攫千金をユメ見る。エサをくれる人には、ちぎれるほど尾をふるが、くれぬやつには吠えてかみつく。人間生活もどうやら、畜生化してきたようだ」
カボチャの種からナスビの芽は出ない。まいた種しか生えてこない。しかしそれもこれも、他人が悪いのではない。自分で種をまき、懸命に努力して育てれば、いつかは必ず芽を出すのだ。そういうことを親は子どもに語って聞かせなければならない。「約束は、必ず、はたさなければならない」「矢は一本しかないと思え」「有頂天から始まる地獄」「殿様の命令に従わなかった船頭」「人を身なりで判断は出来ない」「戦うばかりが男の勇気ではない」など、古今東西のおもしろくて有益な話を100話、それぞれ簡潔にまとめてある。すべての漢字にふりがながついているので、大人から子どもまで家族全員で楽しめる。まだ純粋な子どものころに、こういうふうに謙虚に努力した歴史上の偉人たちのことを知れば、きっと光に向かって良い人生を歩めることだろう。(家永光恵)
生きる素晴らしさを知る本 2000-12-28
この本を、これから親となってゆく私たちは、ぜひ読まねばならないと思った。若い父母や、教師など、教育に携わるような人々には、1度は読んでもらいたい。もやもやした心が、パッと明るく、指針を示されたような気持ちになれるだろう。子供たちにも勧め、生きることの素晴らしさを知ってもらいたい本だ。
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